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2026年3月4日 第261号
ほぼ日通信WEEKLY第261号をお届けいたします。今週はエッセイの号です。執筆くださいましたのは俳優の池谷のぶえさんです。
ここだけのお話
ほぼ日通信WEEKLYだけのよみものです。
~巻頭エッセイ
     第39回





池谷のぶえ

私の家の鍵には、キーホルダーがついています。「私の鍵にだってついてるわ」「僕の鍵にだってついてるさ」という声が聞こえてきそうですが、なぜつけているか? と問われたら、鍵ひとりきりではすぐにどこかに行ってしまいそうな不安から、という理由の方も多いことでしょう。

そもそもそうした役割であるからこその名称でもありますが、別の役割もあります。それは、その人をその人たらしめるとする役割です。
街をゆくカバンにゆれる、その人なりのキーホルダー。それらは大概、好んでつけられているはずです。しかも、「私はこれがいいと思っているのです」という、社会へのほんのりとしたアピールも添えて。

もしくは、家族や友人・知人、仲間たちからいただいたものを何となくつけていたとしても、「私はこんな感じです」という、ほんのりアピールから逃げ切ることはできません。
なんなら、キーホルダーをつけてないならないで、「私はキーホルダーをつけるタイプではありません」という、ほんのりアピールをされてしまうのですから。

なので私は、カバンにつける勇気はありません。その時点で、「私はキーホルダーをつけるタイプではありません」という人になってしまっているかもですが、かつて私は家の鍵に、10個以上のキーホルダーをつけていました。カバンにこそつけないものの、「私はキーホルダーをつけるタイプではありません」とは言えないほどの数のキーホルダーを、カバンの中にそっと持ち歩いていたのです。

キーホルダー心理学的にいうならば、「私はこんな人なの、誰かわかって」とでもなるのでしょうか。そんな心理学あるはずもありませんが、なんにせよ、キーホルダーはその人の状態を表すなぁと思うのです。

お土産でいただく、プレゼントでいただく、グッズで配布される、気に入って買い求める…キーホルダーというものは、ふとした瞬間に突然舞い込んでくるものです。そして何気なく鍵やカバンにつけてしまったが最後、いつの間にか情が移って、はずすタイミングがわからなくなったりもします。でも、気に入ってるからでも、なんとなくでも、それなりに長い時間一緒にいられるということは、そこに何かが芽生えている気がしてならないのです。今回のコラム「あいすもの」というご依頼をいただいてふと思いついたのが、そんなキーホルダーとのあいの日々であります。キーホルダーとの出会いは、ご縁だなぁと感じます。そしてそれらが集まると、人生だなぁとも感じるのです。

旅先やお店でキーホルダーを眺めた時に、これはあの人にあげたら楽しいな、きっと笑ってくれるな、などと考えたりするのも人生。
このキーホルダーはいったい何がどうなって、こんなコンセプトになってしまったのだろう…そんな人生もあったり。

数ヶ月前までは鍵に10個くらいつけていたキーホルダーも、現在は2個になりました。ロンドンでなんとなく欲しくなった不思議の国のアリスのキーホルダーと、素敵な先輩からいただいた口紅のキーホルダー。そんな風に、急に身軽になりたくなるのも、人生。

これから先、どんなキーホルダーが私という鍵の元にやってくるのでしょうか。そしてどんなキーホルダーに惹かれ、日々を共にするのでしょうか。

…と、おしゃれなコラム風にまとめようとも思いましたが、どんどん溜まっていってどうしたらいいのかわからず、玄関のフックに根こそぎぶら下がるばかりの、私の人生。



池谷のぶえ
(いけたにのぶえ) 俳優
1971年茨城県生まれ。劇団「猫ニャー」(のちの「演劇弁当猫ニャー」)に旗揚げから解散まで参加。以降は、舞台のみならず映像作品でも活動の場を広げる。
2020年に上演されたねずみの三銃士「獣道一直線!!!」にて、第28回読売演劇大賞 優秀女優賞受賞。 2023年に上演されたEPOCH MAN「我ら宇宙の塵」、世田谷パブリックシアター「無駄な抵抗」にて、第31回読売演劇大賞 最優秀女優賞受賞。
現在、舞台「ピグマリオン-PYGMALION-」を最終公演地となる大阪にて3月8日(日)まで上演中。

【舞台】
ウェンディ&ピーターパン
演出:ジョナサン・マンビィ
東京:2026年6月12日(金)~7月5日(日) THEATER MILANO-Za
大阪:2026年7月13日(月)~7月20日(月・祝)フェニーチェ堺 大ホール

【TV】
NHK 連続テレビ小説「ばけばけ
花田旅館の女将・花田ツル役
放送中 月~金曜
総合:午前8:00~8:15・再放送 12:45~13:00
BS・BSP4K:午前7:30~7:45

【TV】
Eテレ アニメ「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂
声:銭天堂の店主・紅子役
毎週金曜 18:40~ / 毎週土曜 17:45~

【コラム】
えんぶ★TOWN 情報☆キック コラム・エッセイ
池谷のぶえのぶっく TO THE FUTURE
毎月第3木曜日更新

所属事務所Webサイト DuckSoup

今週の一枚
やぁ、カワイコちゃん。


文四郎さん、糸三郎さん

建設中の建物の壁で産まれ、閉じ込められたところを救出されたふたり。そろってごはん。

文四郎さんのドコノコブック
糸三郎さんのドコノコブック
ほぼ日トップページから
糸井重里が毎日書いてます。
大事なことよりも、大事なこと。
糸井重里

「いいことをしていると自分が思ってるときには、ちょっと悪いことをしていると思うと、ちょうどいいんじゃないでしょうか」
というのは、吉本隆明さんの言ってたことです。
いつごろ聞いたのか忘れましたが、時間が経つほどに、これが、ほんとうに大事なことだと思います。

いかにも吉本さんらしい、逆説的にみえることばですが、いまごろになって思えば、親鸞の教えにある「善人なおもて往生をとぐ。いわんや悪人をや」と、とても近いところにあることばです。

「いいこと」「大きいこと」「大事なこと」は、ずいぶんと人を酔わせます。だから、人は「悪いこと」「小さいこと」に目もくれず「大事なこと」「いいこと」に邁進したりします。
こういうのが、だめなんだと思うんですよね。

ぼくは、まだ吉本さんにお会いしてなかったころ、富岡多恵子さんのエッセイを読んでいて、夕方、買い物カゴを持った吉本隆明をときどき見る、というような文章に出会いました。「共同幻想論」の、あの吉本隆明が夕食の支度をしている。詩人の富岡多恵子が黙ってそれを見ている下町の夕暮れ。
それは、のちに、いかにもただそのままの事実だったと、ぼくもあらためて思うことになるのですが、二十歳そこそこのときにも、いいなと感じてたんですね。

あと、これもうわさ話みたいなものかもしれませんが、明石家さんまさんが、木村拓哉さんについて、「木村は、ちゃんとおとうさんやってるから、ええなぁ」と語ったという話があります。ぼくも、まったくそのとおりだと思いますし、「そこを言う」さんまさんも、ええなぁと思います。
たぶん、木村くんは「だって実際におとうさんなんだから」と、なにがええんですかという顔で言うことでしょう。そうなんだけどね、それがすごく大事なことなんだよ。なかなか、できそうで、できないことでもあるしね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
酔ってる最中の人は、「酔ってない!」って言いますからね。



──2026年2月23日の「ほぼ日」より
糸井重里の
ひとことあとがき
買い物かご下げて、踏み切りの前に立ってる吉本隆明さん、年をとってから自転車で転んで「恥ずかしいからがまんしてさ‥」と言ってた吉本隆明さん、いろいろたくさんの「ただの人」としての面を見せていただいてました。それは、木村拓哉さんも同じで、「高いところに立ってない」姿なんですよね。ついつい、高いところに立ってしまう人も多いし、ある意味そうなってしまうことも、人間というものの特徴なのかもしれませんけどね。
「おとうさん」やってることと、キムタクやり続けていることの、両方って、ほんとにかっこいいと思うなぁ。ぼく自身は「おとうさん」にはちょっと足りてませんでしたから、今ごろになって、つくづく思います。

今日の「ほぼ日」もぜひごらんください。
※糸井重里の文章は、Webサイト「ほぼ日」で毎日更新しています。
いまのほぼ日
最近のほぼ日、どうなってる?
いまのほぼ日、おすすめの記事
読み逃したらもったいない。
じわじわじわじわ、くるのを。
南伸坊さんと糸井重里のおしゃべり「黄昏」はおもしろい。さらにそこにゲージツ家のクマさんが加わったら‥‥だめだ、もうだめだ、第1回、第2回、じわじわじわじわくるのをがまんして読んでましたけど、昨日の伸坊さんの「奥歯は、何本入れたの?」で笑線決壊。肺炎、まぼろしの肺炎、そしてダブルブッキングで2回中止になった3人の取り合わせ。目次を見ると第12回and moreの連載回数があることがわかります。こりゃ楽しみすぎるでしょう。毎日訪れてちょこっと読んで笑ってください。こんな友達ほしくなっちゃうな。もっとくだらない話をみんなとしようと思いました。
なきまねをする、その裏側に!
ほぼ日の奥野が「今度、五代目江戸家猫八師匠と動物園に行くんです」と企画会議で言っていたとき、私はぼんやりと「動物園で師匠がなきまねを披露するのかな?」と思ってました。なのになんですかこの、なきまねのない、こってりとした動物とのふれあい連載よ! ああ、 私は知らなかったです。なきまねをするその裏で、先代も五代目も動物園にこんなにも足繁く通われていたとは。そして、芸としての声をくり出すために、こんなにも動物にくわしくなっておられる。尊敬しかありません。さらに、動物園をとりまく人びととのあたたかい交流に拍手。全10回完結、動物好きな方、ぜひ!

見逃せないよ
ほぼ日通信WEEKLYだけの特典。
乗組員のおすすめグッズ
ほぼ日スタッフが本気で使いこんでいる商品をプレゼント。


毎日つけないと気がすまない。
推薦人:ゆーないと

最近、髪質の変化を感じています。ブリーチやカラーをしていたり、お年頃だったり、寒い時期だし? いろいろな理由がありそう。とにかく、パサパサした感じをどうにかしたくて、オイルを使っています。でも合わないオイルだとベタベタになって、テンションが「だだ下がって」しまうことも。
このヘアセラムを使いはじめてからは、髪がしっとりで脱パサパサできている気がしています! たくさんつけてしまっても、ベタつかなくてほどよい。寝癖もなじむ。しかも、いい香り。なんだこれ、万能じゃないか。私は毎朝、この香りをまといながらほくほくと、るんるんしているんです、実は。
私は短めの髪型なので関係ないのですが、ロングヘアを束ねたゴムの跡も、すぐにとれるらしいですね。よさげ!
同じく草場妙子化粧品店で扱っているunseenのヘアオイルといっしょに使っているのですが、その相性もよい感じ。どちらも、旅行にも小分けにして持って行かないと気がすまない存在になりました。

ヘアセラムを
プレゼントします。
今週のプレゼントは草場妙子化粧品店から「リスタイリングヘアセラム」です。 抽選で10名さまにお送りします。

プレゼント申込〆切:2026年3月9日(月)23:59

ご応募はこちらから
※ボタンをクリックすると株式会社ほぼ日で作成したgoogleフォームにジャンプします。当選された方にはほぼ日からメールでご連絡します。当選者の発表、落選のご連絡はいたしません。また、お届け先は日本国内のみとなります。
今週のおたより
最終回をむかえた伊藤亜和さんの「実話クイズ」に、たくさんのご感想をいただいています。


伊藤亜和さんのインタビューおもしろかったです。そしてなんと実話クイズ全問正解でした。それも毎回すぐに答えがわかる! 多分思考が似ているのかな? と驚きました。新刊も読んでみます。
(pompom)

「まさか枠」のD、正解だったんですね。すごい!


「当たった人いるかな」「きっといます」メルマガのココの部分、かっこいい。きっといます! キリッ! うんうんそうそう、ここの読者には正解者いる、亜和さんの「喜ばせるために納豆食ってんじゃねぇ」がわかる人いる、結構いる。
(ミウラ)


今週のベストフレーズは、「ギャップ狙ってるわけじゃなくて、フツウに納豆食べてんだよ」です。ここには、いろんな思いがぎゅっとこめられている気がして。ギャップこそ居心地の悪さの源。こいつをうまく制御できたら、きっと春風駘蕩だと。日々を悪戦苦闘しながら、またそれを楽しみつつ生きていきたいものだなあ。
(福笑い)


亜和さんの「自分たちとは違う世界の人」と思われている感覚は、日本だと特に強いのかもしれないですね。違いを尊重する社会になりつつありますが。亜和さんの言葉に共感しながらも、私自身が現実にまわりの人に違和感を持っていないか、持たれる状況を作っていないか‥‥という心配はありますが、どうにか折り合いをつけてすすんでゆきたいです。
(ほ)


納豆や筆箱、電球。そういうものから「自分」がはじまっていくから、伊藤さんは伊藤さんなんだな、と感じる連載でした。肩書きというのは、その人をいちばんはじめに知るときには便利ですが、少しでも踏み込もうとするとほとんど意味のないものになってしまいますよね。モデルさんもハーフの方も実は世の中ものすごい数いる。岡本太郎さんが「人間だ」と言ったのと、「伊藤亜和として出ていきたい」というのが、根っこの部分では同じだな、と感じました。
(c)

あれから私は納豆を食べると亜和さんを思い出しています。ギャップはみんなにきっとあるけど、互いに尊重しあって、ほんとにふつうに、なんでもできる世の中であってほしい。


今日、「尾瀬のポストカード福袋」が届きました! 行ったことのない尾瀬の景色が次々に現れて、口々に「オイデオイデ」と旅を誘ってきます。この景色の中を歩く自分を想像して、ワクワクしました。このワクワクな気分を、知り合いに、ストックしている昔の切手をぺたんと貼って届けようと思います。楽しい企画をありがとうございました。※「ほぼ日尾瀬の会」にも即入会しました。私の尾瀬元年スタートです!                
(チコベエ)

尾瀬のシーズン、待ち遠しいですね。私は子どもの頃以来なので、今年こそ行きたいなぁ。


メルマガ冒頭写真のゴリラさん、
フグさんの水槽越しに見えていたあのゴリラさんでしょうか。遠目でしか見えないのに、ものすごい存在感だったので、まさかこんな急に、まさかメルマガでお顔を拝見できるとは思わず、非常に感慨深いです。ありがとうございます!
(wara.)

はい、あのゴリラです。いまも受付前に陣取ってます。


先週、乗組員の皆さんが激推しされていたYouTubeを何度も繰り返し見て、注文したケサショルダーバッグが届きました。そして先ほど自分にフィットするように紐の長さの調節が終わりました。みなさんがおっしゃっていたとおり、軽くて、革の手触りが柔らかく、買って良かった! 春に向かいつつある季節、早くこれを使って出掛けたいです。
(ラスカル)

ポケットみたいに体に合わせて調節するケサショルダーバッグ、たくさんの乗組員が愛用しています。スマホや鍵を入れて歩くのにとても便利。そうなんですよ、鍵を‥‥
自分の鍵にいつのまにか集まって、なんとなく愛着がわいてきているのに知らないうちに去っていく。そんなキーホルダーは、長年演劇界に身を置いてきた池谷のぶえさんにとって、もしかしたら劇団の方々のイメージととらえられるのかも、と私は勝手に想像しました。私は演劇にくわしくないのですが、バンドを組んだことならあります。バンドもまた、いやぁもう、キーホルダーのようだった。もっとハチャメチャだったかもしれない。どこに向かっていたのかはわからないけれども、あの練習時間は宝ものだった、といまでも思い返します。
いつからか私は、池谷のぶえさんという俳優さんがテレビ画面に現れると「おっ」と身を乗り出すようになっていました。独特の風情が好きで、どこか客観的でありつつも絶妙な間合いをつく、そのうまさにしびれていたのです。役だけでなくご本人も必ずおもしろい方に違いないと思った私は、まず著作を探しました。自伝である『贋作 女優 池谷のぶえ』、読みたい、読みたい、どこで売ってるのだろう、買えない。検索しまくってあきらめかけたとき、なんとご本人の著作朗読チャンネルを見つけました。最高です。そこからは夜な夜な池谷さんの声を聴きながら眠る日々。いつかお仕事をごいっしょしたいけどきっかけがありません。そんなとき、ほぼ日のイベントに池谷さんのお姿があったと乗組員山下の証言が。「菅野さん、好きでしょう。ご連絡してみたら?」と山下に背中を押され、今日に至ります。
ちなみに私のキーホルダーは首からさげる革タイプ。なくすのが怖いからです。つまり用心深い不器用さんです。人間的にはどうやら「どこがどうなってこんなコンセプトに」のキーホルダーのようになっている気がします。冒頭写真はそんなキーホルダーたちが集まった会議風景。もちろん鍵は糸井です。来週からはいよいよ次の実話クイズインタビューに移ります。水曜の朝、出張先の気仙沼から配信する予定。東日本大震災から15年です。(ほぼ日 菅野綾子)


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